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「北前船 白山丸まつり」で帆上げ体験


年に一度だけ、佐渡で千石船に帆が上がる日があります。
40人で力を合わせて船を動かし、大きな帆を広げる「北前船 白山丸まつり」。

今回は、そんな昔の船乗りたちが行っていた仕事を実際に体験してきました。

白山丸とは

江戸時代から明治時代にかけて、
佐渡は北海道と大阪を結ぶ北前船の寄港地として栄えました。

北海道の昆布やニシン、佐渡や北陸の米などを運び、
大阪からは塩や陶磁器、木綿などを積んで各地を巡っていたといわれています。

そんな北前船を建造していた場所のひとつが、佐渡・宿根木(しゅくねぎ)です。

白山丸は、1858年に宿根木で建造された千石船「幸栄丸」の設計図をもとに、
1998年に実物大で復元されました。

まずは40トンの船を引き出すところから

おまつりの会場は「佐渡国小木民俗博物館」。

いつもは閉まっている大きな扉が開いており、
まるでこれから船が出航するかのような光景に、ワクワクしてきます。

まず行うのは、館内に展示されている白山丸を外へ引き出す作業です。

白山丸は全長約24メートル、重さ約40トン。
その大きな船を、人力で動かします。

参加者は約20人ずつ、2本のロープに分かれ、
「せーの!」の掛け声に合わせて引っ張ります。

少しでもタイミングがずれると船はびくともしません。

全員の力がぴたりと合い、船体がゆっくり動き始めた瞬間は、
綱引きで勝ったときのような手応えや爽快感がありました。

15分ほどかけて、ゆっくりと船は屋外へ。

帆を上げる準備

船を引き出した後は、約20メートルある帆柱を立てます。

帆柱は約20メートルもの高さのため、クレーンで作業を行います。
安全のため、スタッフの皆さんが慎重に進めてくださいました。

クレーンがゆっくりと帆柱を持ち上げ、スタッフが声を掛け合いながら位置を調整します。

約1時間かけて少しずつ準備が進みました。

いよいよ帆上げ体験

帆をあげるためには、船内の「ろくろ」と呼ばれる機械で
ロープを巻き上げます。

船内は天井が低く、かがみながら、
そして足元に走るロープをまたぎながらろくろを回しました。

さらに棒が船の側面にぶつからないよう、中心へ押したりと、
想像以上に大変でした。

船内からは帆の様子がまったく見えず、
外にいるスタッフの合図を頼りに動かすのみ。

初めて会った参加者同士でおしゃべりをしたり、
声を掛け合いながら、ろくろを回し続けました。

そして、ようやく外から「OK!」の合図。

船の外へ出ると、目の前には約160畳分もの真っ白な帆が!

青空をいっぱいに使って風を受ける姿は、写真で見るより何倍も迫力がありました。

実際に体験するからこそ感じられること

40トンの船を動かす大変さ。

みんなで力を合わせることの大切さ。

昔の船乗りたちも、こうして声を掛け合いながら作業していたのかもしれない。

実際に体を動かして初めて、昔の船乗りたちの苦労を少しだけ想像することができた気がします。

北前船を楽しむには

白山丸は普段も「佐渡国小木民俗博物館」で公開されています。
館内では白山丸に乗ることができるだけでなく、当時の復元の様子や、当時使われていた道具なども見ることができます。

宿根木の町並みのすぐ近くなので、散策やたらい舟体験とあわせて立ち寄るのもおすすめです。

さらに、2026年10月29日〜11月1日には、「北前船寄港地フォーラム」が新潟県で開催予定です。

今年は新潟市・村上市・上越市・佐渡市の4市が会場となり、北前船の歴史や文化を学べるさまざまな催しが予定されています。

詳細は今後発表予定ですので、
興味のある方は、ぜひこちらより最新情報をチェックしてみてください。
https://www.kitamae.org/

詳しくはこちら


ライター:

『さどタイムス』エディター
中村 水咲

兵庫県出身。新しい世界への好奇心から、これまでに約40カ国へ渡航。
ラトビアでのアリが添えられたシャーベットとの出会いや、
フランスでクロワッサンとサラダを一緒に食べて怒られるなど、
日常の先にある非日常な体験に心を動かされてきた。
ご縁をいただき辿り着いた佐渡島では、
豊かな自然や文化、食のなかに、 “究極の日本らしさ”を感じ、深く惹かれる。
そんな私から見た佐渡の魅力を、この島からお届けします。