世界に誇る日本の宝!

世界文化遺産「佐渡島の金山」を
知り、楽しむ旅

かつて黄金に彩られた島、佐渡。
世界文化遺産・佐渡島の金山を巡り、その歴史とロマンを感じる旅へ。

日本の歴史に佐渡島で金が採れたことが初めて記されたのは、平安時代の説話集『今昔物語集』。古くから「金の島」として知られていた佐渡島で、本格的に採掘が始まったのは江戸時代初期。佐渡奉行所が置かれ、徳川幕府の直轄地として繁栄を遂げた。その時々の奉行への説明のため、砂金採取、金鉱石の採掘から金の製練、小判の製造に至るまでを絵巻物に描いた。国内外に100点以上も残る絵巻物などの資料や鉱山、集落の遺跡から長きにわたる先人たちの営み、鉱山技術や生産システムの変遷のほぼすべてを見ることができる。世界でもあまり例のない貴重な遺産として、2010年にユネスコ世界遺産暫定リストに記載。2022年2月には政府が世界文化遺産への推薦を決定した。そして、2024年7月にいよいよ登録決定が期待されている。

相川金銀山の象徴である「道遊の割戸」(どうゆうのわりと)。山が割れているように見えるのは江戸時代の露頭掘り跡。巨大な金鉱脈を掘り進むうちに、このような姿になった。山頂部の割れ目は幅約30m、深さ約74mにも達する。

佐渡金山ってどこにあるの?

史跡佐渡金山で知られる相川金銀山をはじめ佐渡には55の鉱山があるが、なかでも歴史的に重要とされるのが図の3ヵ所。世界文化遺産候補「佐渡島(さど)の金山」は、鶴子と相川をあわせた相川鶴子金銀山と西三川砂金山で構成される。

ここがすごいから世界遺産に

江戸時代、鎖国により海外との交流が制限されていた中、機械に頼らない伝統的手工業を工夫・改善したのに加え、大規模な生産の仕組みを整えることで、大量・高品質の金(世界の約10%・最高純度 99.54%)を生産。人の力だけで250 年以上に渡って金を生み出していたことを示す鉱山や集落の遺跡が残るのは世界的に見ても稀少なのだ!

西三川では砂金を含む地層を人力で掘り崩し、水の力で土砂を洗い流し水路底に残った砂金を採取する「大流し」という手法。相川鶴子では硬い岩石を人力で掘削して効率的に鉱脈を辿り、鉱石を取り出す採掘法が採用された。2つの山の特徴に合わせた採掘法を用いていたことが発展につながった。

相川郷土博物館所蔵品の「佐渡の国金掘ノ巻」から見てとれるのは「焼金法」という金の純度を高める作業をはじめ、それぞれの担当者が専門的な作業をしていたこと。採掘、選鉱、製錬、精錬、そして小判の製造という一連の工程を江戸時代から分業で行なっていたのだ。これにより高品位の金を製造することができた。

金銀山のある佐渡は徳川幕府にとって、非常に重要。1603年には直轄地として、佐渡全体を治めるため佐渡奉行所が置かれた。また、奉行所と鉱山を結ぶ大通りを中心にまちが作られるなど大規模な生産体制が形成されていった。

幕府による大規模な金山経営により、全国から佐渡に人が集まった。佐渡代官・大久保長安が能楽師を連れてきたことがきっかけとなり、能が親しまれたとされる。鉱山ゆかりの神事「やわらぎ」は山の神の心をなだめ、やわらげるとともに硬い鉱石が軟らかくなるよう祈るもの。今でも労働者の慰労と鉱山の繁栄を祈願する「鉱山祭り」で奉納されている。

史跡佐渡金山を楽しめる4つのコース

宗太夫坑コース
道遊坑コース

佐渡金山コース

江戸時代の採掘坑道で国史跡「宗太夫坑」と明治以降の機械掘坑道で国重要文化財・国史跡「道遊坑」の2つの坑道を巡ることができる。「宗太夫坑」は江戸時代に開発された手掘り坑道。地下深く掘り進んだ坑道の跡に『佐渡金山絵巻』に描かれている採掘作業を忠実に再現している。精巧な人形たちによる水の汲み上げなどの作業工程の再現などが見られる。「道遊坑」は明治時代の近代化から平成元年の操業休止まで使用された坑道や、トロッコなどの設備が操業当時の姿のまま残されている。また、佐渡金銀山の象徴でもある「道遊の割戸」を間近に見ることができる。

ガイド付き
山師(やまし)ツアー
[4〜11月限定]

山師になったつもりで探検気分を満喫しよう!

当時のままの坑道を巡るという貴重な体験ができる。佐渡特産の焼き物、無名異焼の原料を採掘した「無名異坑」と江戸時代初期に開削された「大切山坑」を歩く、探検気分を味わえるコースだ。前日16時までに2名以上で要予約。

ISLAND MIRRORGE
[通年]

歴史遺産×最先端技術で未体験の世界へ

史跡 佐渡金山のひんやりとした道遊坑を歩きながら参加するウォークスルー型アトラクション「ISLAND MIRRO RGE」。メガネ型のMR(複合現実)グラスをかけると幻想的な映像が流れ、魔法のような世界を体感できる。

相川エリア

相川の街並みに息づく鉱山の歴史と北前船の記憶。

西三川エリア

フルーツと美しい海岸線が魅力の西三川
西三川砂金山は、日本最古の金の産地として今昔和歌集に登場