佐渡へ引っ越した初日の夜。
遠くから、どん、どん、と低く響く太鼓の音が聞こえてきました。
「今日はお祭りの日だったのか」と思っていると、翌日も、そのまた翌日も。
どうやら本番に向けた練習のようです。
佐渡では、五穀豊穣を祈る伝統芸能「鬼太鼓」が、約1,000年以上前から受け継がれてきたと言われています。
毎年4月15日は「島開き」の日。
島内約40か所の集落で春祭りが行われ、鬼が家々を巡ります。
私の住む地域では、仕事終わりの時間を使い、約2か月ものあいだ毎日練習を重ねるのだそう。夜の静けさの中に響く太鼓の音に、この土地の人々の熱を感じました。
迎えたお祭り当日。
朝6時の打ち出しに向け、集合はなんと朝4時。
そこから集落の約60軒の家々を一軒ずつまわり、最後はお寺で締めくくる、丸一日の行事です。
今回は知人のお宅で鬼太鼓を迎えさせていただきました。
家ではお菓子やお酒を用意し、演舞のあとに振るまうのが習わしだそう。

目の前で繰り広げられる舞は、想像以上の迫力。思わず息を呑みます。

小さな子どもが泣いてしまうと、踊りながらそっと気遣う場面もあれば、泣いていない子どもがいると「迫力が足りんぞ」とユーモアたっぷりに声をかけることも。
そんなやりとりからも、地域に根ざしたあたたかさを感じます。
やわらかな春の日差しに包まれながら、心まであたたかくなる一日。
鬼太鼓の音は、佐渡に春の訪れを告げる合図なのだと知りました。
そんな鬼太鼓を楽しめる機会はこちら
- 住吉大祭 | 港町らしい荒々しい動きが特徴
- 日時:2026年4月29日(水)7:30 打出し 22:00 打止め
- 場所:住吉神社 新潟県佐渡市住吉126
- 湊祭り|漁旗がはためく漁師町らしい祭り
- 日時:2026年5月4日(月)19:00~ 鬼太鼓
※例大祭(鬼太鼓門付け・神事式・子ども神輿・女組みこしなど)は5月5日 - 場所:八幡若宮社 新潟県佐渡市両津湊213
- 日時:2026年5月4日(月)19:00~ 鬼太鼓
- 鬼太鼓どっとこむ | 各地域の約25の芸能団体が大集結!
- 日時:2026年5月23日(土)16:00~20:00、24日(日)9:00~17:00
- 場所:おんでこドーム 新潟県佐渡市両津湊354

ライター:
『さどタイムス』エディター
中村 水咲
兵庫県出身。新しい世界への好奇心から、これまでに約40カ国へ渡航。
ラトビアでのアリが添えられたシャーベットとの出会いや、
フランスでクロワッサンとサラダを一緒に食べて怒られるなど、
日常の先にある非日常な体験に心を動かされてきた。
ご縁をいただき辿り着いた佐渡島では、
豊かな自然や文化、食のなかに、 “究極の日本らしさ”を感じ、深く惹かれる。
そんな私から見た佐渡の魅力を、この島からお届けします。